「ルーブル経済圏」ドル体制を揺さぶるロシアの反撃


要点をまとめると

  • プーチン大統領は、天然ガスの輸出に関して、売り上げ代金をロシアの通貨ルーブルで支払うよう要求
  • ルーブルは信用力の低い通貨なので出回っていない。ルーブルを手に入れるためには、ロシアの中央銀行と取引する必要がある。
  • これは経済制裁違反になってしまうので、現実的ではない。実はプーチン大統領の目的は別にあるという…

天然ガスの代金をロシア通貨で支払う事を要求するプーチン

プーチン大統領が今も天然ガスを輸出しているし、今後も輸出していくけど天然ガスの輸出に関して売上の代金をロシアの通貨ルーブルで払えということを言ってきた訳です。別の言い方をすると、ルーブルで石油が買えます、ルーブルでしか石油が買えませんよと言っているのです。

言ったのは特にロシアの天然ガスに関してなんですけども、天然ガスの輸出量が一番多いですからね。これは一体どういうことなのかというと、一言で言うとドル石油本位制を揺さぶる一つのやり方で、ルーブル自身を国際通貨にして自由に使えるようにする、ルーブル経済圏を作りたいという、兼ねてからの思いがプーチン・ロシアにあったわけですけれども、それをこの際に実行してしまおうという魂胆だと思います。

これができるかと言うと、実際契約は全部ドル払いかEUのユーロで払うことになっているのです。ですから、契約変更なのでプーチンの方でも以前ルーブルで払えよと言ってみても、契約書のここに書いてありますからと言われてドルやユーロで送ってこられてしまったら、それまでだと思います。

プーチンの本当の狙い

しかし、ここで何を狙っておるかと言うと例えばこういうことなのです。ルーブルなんて国際的に出回っていません。そんなにあんまり信用されてないお金ですからね。しかも、最近ドルに対して物凄く価値が下がっている訳です。

だから、大量の天然ガスの代金を払おうと思っていてもルーブルがない、ルーブルがなければどこに行ったらルーブルが手に入るかと言うと、ロシアの中央銀行に行けばルーブルを売ってくれる訳です。アメリカや他の国からすればドルを売ってルーブルを買って、それをロシアに払うということです。

しかし、これをやると経済制裁違反になってしまうのです。ロシアの中央銀行と付き合うのも罷りならないという経済制裁になっているので、そういうことをやろうとすれば西側の経済制裁に穴が開けられるということです。恐らくこれは多くの西側の国や会社はやらないと思います。

そしたらルーブルを手に入れる手段は何かということなのですが、

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